会社での装いには、スーツスタイルのほか、ビジネスカジュアル、オフィスカジュアルなどがあり、夏には涼しく過ごすことに注目した「クールビズ」が登場します。
ぱっと見、自由度が高く楽なイメージを持つ「カジュアルな装い」ですが、選び方を間違えると、非常識、下品と思われてしまうことも。
今回は、それぞれの装いの違いと、おさえておきたい、第一印象アップのためのポイントについてご紹介します。
この記事を読んでほしい人
- ビジネスカジュアル・オフィスカジュアル・クールビズの違いが分からない人
- 「クールビズ(オフィス/ビジネスカジュアル)でお越しください。」の意味が分からない人
- 何を買ったらいいか分からない人
この記事の内容
▷ビジネスカジュアル・オフィスカジュアルは軽装、クールビズはフォーマルな格好
▷オフィスカジュアルは通勤・オフィスワーク用の服装
▷ビジネスカジュアルは会議や来客時などにも対応している服装
▷クールビズは、スーツスタイルからネクタイやジャケットを除いたもの
もくじ
オフィスカジュアル・ビジネスカジュアル・クールビズの違い
どこまでがカジュアルで、どこまでがフォーマルかの判断基準は、企業によってさまざまです。
クールビズは、オフィスカジュアルと同様に、ジャケット不要、ネクタイも不要となっていますが、目的は「気温に柔軟に対応すること」。オフィスワークを快適な服装で過ごすためのオフィスカジュアルとは、目的が異なります。
そのため、たとえば官公庁などでは、夏場の官庁訪問の際の服装はクールビズで、「チノパンやポロシャツにてお越しください」と指定されていることがあります。
オフィスでの装いについては、統一されたガイドラインがあるわけではなく、就活の担当者も、ファッションのプロではないので、企業や官庁ごとにばらつきがあるのは仕方がないことです。
「〇〇カジュアル」と指示があった場合でも、服装に迷ったとき、分からないことがあるときには、担当者やOB・OGなどに相談するようにしましょう。
ココがポイント
▷シチュエーション別に着こなすのには理由がある
▷カジュアルファッションは会社や部署によってルール微妙に異なる
オフィスカジュアルとは
オフィスカジュアルとは、オフィス内で着るカジュアル服のことをさしていますが、その定義は企業によって異なります。
ファッションやデザインを扱う業種や、内勤が多い事務職などの部署では、流行をおさえた華やかな装いがよしとされている場合がありますが、来客対応のある業種は、カジュアルといってもネクタイが必須だったり、ジャケットを脱ぐことができなかったりすることも。
会社や部署の文化に応じた、「オフィスカジュアル」があるため、よく分からないうちは、次に説明する「ビジネスカジュアル 」程度にかっちりした服装を揃えるといいでしょう。
メンズオフィスカジュアルの選び方
トップス
ジャケットでもOKですが、よりカジュアルに過ごすときには、カーディガンやベストがおすすめ。コーディネートの差し色にも活用できます。
シャツ
襟付きで白や淡い色のシャツがおすすめです。ワイシャツのようにつるつるした生地ではなく、綿や麻などのナチュラルな素材を選ぶと、動きやすく快適に仕事が進みます。
ボトムス
オフィスカジュアルの場合、ボトムスはチノパンでOK。チノパンは、綿でできたパンツのこと。後ほど説明する「スラックス」よりも生地に厚みとハリがあり、履くことでカジュアルな雰囲気になります。
靴
靴は革靴やキャンパスシューズ、スリッポンなどを選びましょう。オフィスカジュアルの場合、通勤やデスクワーク時の服装ということもあり、靴に対しては厳しく規定されているわけではありません。例えばサンダルやブーツなどはNGです。足元がしっかりと覆われていて清潔感があるものがいいでしょう。
バッグ
バッグはビジネストートバッグやビジネスリュックと呼ばれているものを選びましょう。服装がしっかりと整っていても、持っているバッグがカジュアル過ぎてしまうと一気にだらしなく見えてしまいます。機能性の高いものを選び、手入れをこまめに行いましょう。
レディースオフィスカジュアルの例
トップス
春夏といった暖かい季節は、ハリ感のあるシャツや、涼しげなブラウス、カットソーがGOOD。寒くなる秋冬は、シンプルなニットやカーディガンが〇。トップスは、タックインしてすっきりと着こなすのがいいでしょう。
また、ジャケットもレディースオフィスカジュアルの定番。テーラードジャケットやノーカラージャケットなどがいいでしょう。
フォーマルな場に参加するときなどはこれ一枚は折るだけでかしこまった印象を与えることができます。
シャツ
シャツはスキッパーシャツいいでしょう。着回しが利いて、首元のボタンを開けるとクールに、閉めると落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
サテン素材を選べば上品なイメージに仕上げてくれますよ。
ボトムス
パンツの場合は、タックやセンタープレス入りのものを選ぶと、上品さを演出できます。
おすすめはテーパードパンツ。キレイめアイテムなだけでなく、スタイルをよく見せてくれる万能アイテム。
もしくはワイドパンツもOK。センタープレスが入っていればしっかりとした雰囲気になります。ベルト付きであれば上品さがプラスされて◎
スカート場合は、シンプルなタイトやフレアのスカートが鉄板。丈は、上品なムードのミモレ丈がおすすめです。
女性らしさときちんと感のそなわったタイトスカートなら、短めの膝丈でも品よく着こなせますよ。身体のラインが出てしまうほどタイトなものは、品がよく見えないため注意しましょう。
カジュアルめなフレアスカートは、上品であたたかいツイード生地がおすすめです。
靴
オフィス向けシューズの鉄板はパンプスです。中でも、3~8㎝程度の高さのヒールがGOOD。
飾りはワンポイントで目立たない程度であれば問題ありません。歩きやすいものを選びましょう。
パンプスがない場合はローファーでもOK。クッション性のあるインソールを選ぶと疲れにくいのでおすすめです。
バッグ
バッグは、「A4サイズが入る」「ポケットが多い」など機能性を重視しましょう。
ノートPCや大量の資料を入れることもあるので、軽い素材のものを選ぶといいでしょう。
ココがポイント
▷オフィスカジュアルは通勤やオフィスワークを目的としている
▷会社や業態、配属部署によってルール異なる
▷動きやすさや作業のしやすさ重視でOK
ビジネスカジュアルとは
ビジネスカジュアルとは、会議や来客対応にも適したカジュアルな服装のことです。上下のスーツとネクタイではなく、ジャケットとパンツを組み合わせた「ジャケパンスタイル 」が多く見られ、
ジャケット+襟付きのシャツ+スラックス+革靴
といった組み合わせで、ネクタイはしていないことが一般的。
社外の方やお客様と接する場面での服装でもあるため、「相手にどのような印象を与えるか」を特に考える必要があります。
メンズビジネスカジュアルの例
トップス
もっともベーシックで、着る人を選ばないジャケットは、柄は無地で色はネイビーのもの。シャツの上に羽織るだけでかっちりとした印象を与えることができます。
シャツ
強い色や大きな柄を避け、白や薄いパステルカラーなど、落ち着きや爽やかさのあるものを選びましょう。勿論襟は必須ですが、襟の形はそこまで規定が厳しくないので、ある程度の好みが出せるポイントだと思います。
ボトムス
ウール素材のスラックスがGOOD。折り目がきちんとしており、カジュアルさの中にもきちんと感を演出できるのがスラックスのいいところ。ネイビーのジャケットには、明るいグレーのスラックスが似合います。
ネクタイ
ネクタイは無くてもいいことが多いですが、急に必要となった場合に備えて、ロッカーなどに用意しておくといいでしょう。
靴
足元は革靴がベター。先が尖ったものを避け、フォーマルな場面でも使える「ストレートチップ」のものがおすすめです。ベルトと靴の色を合わせると、全身に統一感が出ます。
バッグ
布製のカバンはカジュアル感が強くなりすぎるため、ナイロンや革製の落ち着いた色のバッグを。用途に応じてサイズを選びましょう。
レディースビジネスカジュアルの例
女性の場合、ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルとの間に明確な線引きはありません。
オフィスカジュアルの際の注意事項をしっかりと守っていれば特に問題はないでしょう。
あえて一つ違いを上げるとすれば、「オフィスカジュアルは社内向け、ビジネスカジュアルは社外向け」という点です。
オフィスカジュアルの場合は会社や部署のルールに則っている服装であれば問題ありませんが、ビジネスカジュアルの場合社外の人間と接する機会があるので、その点に十分注意して選びましょう。
ココがポイント
▷ビジネスカジュアルは会議や来客などのフォーマルな場にも対応している格好
▷基本的にはジャケット・パンツに革靴/パンプスが無難
クールビズとは
クールビズとは、2005年スタートした環境省主導の取り組みで、夏場の執務をスーツから軽装にチェンジし、エアコンの設定温度を低くしすぎないようにするなどの「気温に合わせた柔軟なライフスタイル」を提案しています。
服装としては、一般的なスーツスタイルからネクタイとジャケットを省いたものになります。
女性の場合も同じで、ジャケットが不要になるものの基本的には秋冬と同じ格好をした方が無難です。
決してオフィスカジュアルやビジネスカジュアルのようなタイプの軽装ではなく、あくまでもフォーマルな格好であるということを覚えておいてください。
毎年、6月1日から9月30日の間は、暑さに対応できる服装とし、現在では、「ネクタイ不要」「ジャケット不要」を呼びかける企業が多くなっています。Tシャツやジーンズ、スニーカーなどの着用をOKとする「スーパークールビズ」を採用している企業もあるのだとか。
ココがポイント
▷クールビズはノーネクタイ・ノージャケットのスーツスタイル
▷スーパークールビズはほぼ私服
就活で見られる服装のチェックポイント
ここまでの説明にプラスして、就活時に避けたほうがいいポイントは以下のとおりです。
よれよれの襟
服装のシワや汚れ
派手な色や原色、奇抜な組み合わせ
露出の多い服装
女性の場合は、ミニスカートや極端なスリット
網タイツや派手な柄のストッキング
男性の場合は、丈の短いスラックスやハーフパンツ
ロゴが目立つブランド品
過度に豪華なアクセサリーや時計
きつい香水やデオドラント
スーツスタイルからカジュアルダウンした場合でも、ビジネスの場に合った清潔感を忘れずに。
ココがポイント
▷あくまでビジネスの場なので、清潔感を大切に
▷就活では冒険せずベーシックで無難なアイテムを選ぼう
まとめ
会社での装いには、スーツスタイル、ビジネスカジュアル、オフィスカジュアルといった様々なスタイルがありますが、企業によって服装の定義やNGのラインはさまざまです。
スラックスやジャケット、襟付きのベーシックなシャツなどの着こなし方を身につけ、ビジネスの場で恥をかくことのないように、TPOごとのルールをおさえた、清潔感のある、きちんとした装いを選びたいですね。