皆さんはインターンシップというものをご存知でしょうか?
特に春休みを目前に控え新たなスタートを切りたいと考えている学生のみなさんの中には、インターンを始めようか迷っている学生の方も多いのではないでしょうか?
とはいうものの、
- 何から始めたらわからない
- 結局インターンをしたほうが得なの?
- お金は貰えるの?
と、疑問は尽きないですよね。
そこで今回は、
- 長期インターンシップを大学2年の春から始め
- 営業やマネジメント・新規事業の立ち上げを経験し、
- 有名企業の1dayや5daysの短期インターンを数社経験した
僕が、実際に参加して感じたメリットやデメリットを率直にお伝えします。
もくじ
そもそもインターンって何?
みなさんはインターン(正式にはインターンシップ)とは何か、ご存知でしょうか?
インターンシップとは実際の企業にインターン生として入社し、その企業の業務の一部を行うことです。
インターンシップとは
特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間のこと。 商人・職人のための徒弟制度と似ているが、標準化や監査などはされていないため、指すところの内容は様々である。略称として、インターンとも呼ばれる。(出典:Wikepedia)
インターンには
- 契約期間に限りのあるものやないもの
- お金をもらえるもの(有給)ともらえないもの(無給)
があり、それぞれのメリット・デメリットが存在するんですよね。
以下では長期と短期のインターンに分けて、それぞれのメリット・デメリットをお伝えしていきます!
長期インターン
長期インターンとは、3か月や1年などの長期的な契約を結んで(あるいは特定の契約期間を設けず)入社するパターンのインターンのことです。
一般に総合商社や銀行などの大企業ではなく、ベンチャー企業が実施していることが多いです。
参加する目的はビジネス経験を積んで自己成長を実現するためということが多いです。
また、長期インターンの場合は有給のものが多く、お金がもらえる点においてはアルバイトと近いかもしれません。
逆にアルバイトとの決定的な違いは、
- その企業の事業に直接的に関わること
- 業務を行う上で、より工夫が必要になり、結果を出すことを求められること
だと思います。
なので感覚としては、実際に就職しお金をもらって仕事をしているものに非常に近いですね。
また給与体系も、
- 普通のアルバイトのような時給制をとる企業もあれば、
- インセンティブ制をとる企業
と様々です。
ポイント
①時給…労働者が業務をするのに使った時間に対して企業が給与を支払うパターンの給与体系
Ex)時給¥1,000で、50時間働いた ⇒ 月給¥50,000
②能力給…労働者が業務をして出した成果に応じて企業が給与を支払うパターンの給与体系
Ex)営業で1件の契約につき¥10,000の報酬で、5件獲得した ⇒ 月給¥50,000
③固定給…労働者と企業の間で一定の報酬が決まっており、一定水準以上の労働時間や成果を出すことを条件にその報酬が支払われるパターンの給与体系
Ex)月に30時間以上働いてかつ契約を3件以上取ると月¥50,000で、条件を満たす ⇒ 月給¥50,000
では、実際に長期インターンをしたらどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
長期インターンのメリット①実践的な職業体験ができる
実践的な職業体験は短期インターンやアルバイトでは得られないものですよね。
長期インターンでは、
- 営業
- 企画
- 開発
- 販売
- 広報
- 戦略
- 人員配置
- 制度設計
など事業運営の根幹を担う業務を行います。
会社側がどこまでをインターン生に任せるかはその企業によって異なります。
しかしそういった業務を実際に行わないにせよ、事業運営の中枢に関わり触れることできるんですよね。
僕の場合は、営業マンとして実際のお客様対応から始まり、チームの目標設定、販売戦略、部下のマネジメント、昇給制度の設計などを行っていました。
その中で営業スキルやビジネスマナー、事業運営のノウハウを身に付けられたことは非常に大きい経験でした。
動機は少々不純ですが、就活で言えるような何かを学生時代に作りたい人の一つの選択肢としてはかなり有効だと思います。
長期インターンのメリット②お金を稼げる
長期インターンで携わる業務内容は高度なものが多いです。
なので、その分給与も高くなります。
僕の場合は営業マン時代は月に13~15万くらい、マネージャーになってからは20万程度、多い時では30万以上稼げていました。
実質時給で言うと¥2,500~¥3,000といったところでしょうか。
しかしこれはあくまで能力給での話です。
いくら長期インターンといえど、時給はせいぜい¥1,500程度でしょう。
なので、長期インターンでがっつり稼ぎたい人はインセンティブ制を採用している企業でインターンをすることをお勧めします。
長期インターンのメリット③意識の高い学生や社会人と繋がれる
長期インターンで出会う学生は、能力に差はあれど皆が何かしらの目標や目的意識を持っています。
そんな学生のいる環境に身を置き、互いに刺激をしあえることも長期インターンのメリットの一つです。
就活においては、お互いの情報共有をする場として活用することも出来るんですよね。
- 職場の学生がどんな業界を見ているのか
- 将来どうしていきたいのかを聞く
ことは自分のキャリア形成を検討するうえで非常に参考になります。
更にインターン先の会社の人と仲良くなり、会社のことや業界のことや就活全般に関するアドバイスをしてもらうことも出来ます。
私の場合、インターン先の社員の方にエントリーシートの添削をしてもらったり面接の練習をしてもらったりしていました。
私の先輩は職場の学生を5,6人集めてグループディスカッションの練習をしたりもしていました。
長期インターンではこうした実践的な就活準備も出来るんですよね。
長期インターンのデメリット①忙しくなる
長期インターンで成果を出すとなると、やはり週に何日もシフトを入れる必要があります。
となると、大学の授業に行く時間や友達と飲みに行く時間などは自ずと削られていきます。
ですので、スケジュール管理が難しくなります。
また、長期インターンの性質上自発的に勉強したり自分なりの工夫をして成果を上げていくことが必要になります。
その為、家に帰ってからや学校にいる時など、シフト外の時間帯でもインターンでの業務をすることが多くなります。
僕の場合は、
- 営業で獲得したお客様の獲得後のフォローアップ
- 営業前後の部下のロープレ
- プレゼン資料の作成
などを自宅や大学に行っているときなどにも行っていました。
このように、長期インターンを始めることで今まで自分に充てていた時間を確保しづらくなるのがデメリットの一つです。
長期インターンのデメリット②アルバイトがしづらい
長期インターンのデメリット①忙しくなるでも書いた通り、長期インターンを始めると忙しくなるのでアルバイトのシフトを入れづらくなります。
アルバイトの利点は
- 働いた分がお金になること
- 特別な向上心や目的意識がなくても取り組める
などですよね。
確かに、有給の長期インターンであればお金の部分は心配ありません。
しかし常に責任のある仕事を任されるので適当な作業は出来ないんですよ。
アルバイトなら適当な仕事が出来るとは言いません。
しかし責任感や難易度が違うので、大学1・2年からそこまでハードに働きたくない人にはあまりお勧めしません。
長期インターンのデメリット③食費と交通費がかさむ
長期インターンのシフトというのは、基本的に丸一日入れることが多いです。
そうなると、必然的に昼食を食べることになります。
一部の企業では弁当の配布や食堂の無料利用など圧倒的福利厚生があるところありますが、基本的に食費は自己負担なんですよね。
更に仕事終わりに飲みにいったりすることもあります。
なので交際費もある程度考慮しなければなりません。
また、特に僕がやっていた営業のインターンでは、交通費が一時的ではありますが自己負担になります。
営業ではなくても、会社と自宅の往復でその都度交通費を自己負担することになりますよね。
一回の交通費は大きな額でなくても、塵も積もればなんとやらで一か月のトータルでは1万円は下りません。
ちなみに僕は、
- 会社と交渉して交通費を前払いにしてもらったり、
- 自宅からパンやおにぎりを持って行ったりして
自己負担額を抑えていました。
こうした食費や交通費の負担はある程度覚悟した上で、シフトを入れるといいでしょう。
短期インターン
就活生が就活を始めて最初に応募するのがこの短期インターンです。
短期インターンとは、1day(1日間)や3/5days(3~5日間)、2weeks(2週間)など短期間で行うインターンのことです。
長期インターンに比べ就職活動の色が濃く、短期インターンでの目的は企業研究や業界研究がメインになります。
なので、「企業が学生を、学生が企業を知る場」として認識するといいでしょう。
短期インターンの内容は基本的に2つです。
それは
- 企業や業界の概要の解説講義
- その業界に即した内容のお題が出題されるグループディスカッションやグループワーク
です。
マジでどこもこの2つです。
短期インターンの比重は①:②=2:8くらいで、グループディスカッション及びグループワークがメインとなっています。
また長期インターンとは反対に無給のものが多いです。
参加報酬が出るとしても、5daysや2weeksなど短期インターンの中でも比較的期間が長いインターンが多いでしょう。
それでは短期インターンのメリット・デメリットを教えます。
短期インターンのメリット①スケジュールに合わせて参加できる
企業が開催するこの短期インターンは、基本的に複数回開催されます。
なので自分のアルバイトや授業、遊びの予定の合間を縫って参加することができます。
また期間も1日だけのものや3日間のものなど短期間なので、スケジュールを確保しやすいというメリットがあります。
私は実際に4社の短期インターンに参加しました。
一つは午前開催が3日間、一つは午後一日だけなど、効率的なインターンの参加が出来ました。
なので、自分の時間割やアルバイトのシフト、飲み会の予定などの間に短期インターンを入れると効率的な時間の使い方が出来ると思います!
短期インターンのメリット②本選考の練習ができる
短期インターンでは、エントリーシートの提出や筆記webテスト、グループディスカッションや複数回の個人・グループ面接を課す企業が多いです。
先にも触れましたがインターンの内容もグループディスカッションがほとんどです。
そしてこれらは本選考でも同じなので、合否に関わらず短期インターンに応募して選考を受けるだけで、これらの対策をすることができるんですよね。
実際に私は10社程度の短期インターンに応募しました。
その中で、短期インターンに応募しエントリーシートを書くことで
- 自己分析
- エントリーシートのトピックのストック
- webテスト勉強
- グループディスカッションや面接の対策
と、様々な本選考対策をすること出来ました。
なので、業界や企業を絞らずとりあえず目に付くインターンに応募してみるのは就活対策としてかなりおススメです。
短期インターンのメリット③同じ業界を見てる人と知り合える
短期インターンで出会う人は、自分と同じ業界を目指していることが多いです。
その為、同じ業界を志望している人が
- どんな企業を受けるのか?
- どんな対策をしているのか?
などをたくさん聞くことができます。
是非とも自分の就活の参考にしてみてください。
更に、短期インターンで出会う異性と仲良くなって付き合えちゃうみたいな展開(いわゆるリクラブ(リクルートラブ)です)も無きにしも非ずです。
実際に、夏のインターンで知り合った人と仲良くなり、冬に付き合ったなんて話もあるとかないとか・・・
それはさておき、短期インターンで出会う人は就活するうえでは非常に大切な同志です。
就職活動をより良いものにするために、積極的にコミュニケーションを取ることをお勧めします。
短期インターンのメリット④小旅行が出来る
短期インターンは東京で開催されることが多いです。
札幌や大阪、博多など地方会場でも開催する企業もありますが、メインは東京での開催なんですよね。
では、地方の学生が東京の短期インターンに参加できないのか?
答はNOです。
基本的に東京で短期インターンを開催する企業は、地方学生に対してインターン期間中の宿泊費と会場までの往復の交通費を支給してくれます。
なので、実質ただで東京旅行が出来ちゃうんです!
逆に東京の学生が地方のインターンに参加する時でも、対応は同じです。
実際に僕は人材業界の某大手企業のインターンで、1週間京都に行くことができました。
人の金で乗る新幹線も、人の金で寝るベッドも最高でした。
更に2週間程度の短期インターンでは、合宿形式で地方に泊まり込みのこともあります。
ちょっとした修学旅行気分を味わえるので、これもメリットの1つです。
短期インターンのデメリット①業界研究にはならない
先ほども言いましたが、短期インターンのメインはグループディスカッション・グループワークです。
なのでその会社や業界の説明は1dayであれば午前中、3days~であれば初日の午前中がほとんどです。
しかも実際の話、会社説明の講義では企業のアピールポイントしか話してくれず、リアルな話はほぼ皆無です。
そしてその少ない説明講義も、ネットで調べれば出てくるような内容のものが多いです。
このようなインターンでははっきり言って業界研究はできません。
考えてみれば当たり前の話で、沢山の学生が集まる場で、自分の企業のネガティブな部分なんて話すはずがないんです。
たしかに、5days以上の期間になると話は別です。
しかし1dayインターンなどでは業界研究はできないと思った方がいいでしょう。
ですが、そんな短期インターンでもリアルな話を聞くタイミングもあります。
それは、複数日の短期インターンに参加した際に最終日に行われる社員との座談会・懇親会です。
懇親会では、
- 社員の方々がどんな仕事をしているのか?
- 年収はいくらか?
- 休みはちゃんと取れるのか?
などを丁寧に教えてくれます。
なので、短期インターンに参加した際には交流会までしっかり出席し、社員に質問攻めするのが一番効果が高いです。
短期インターンのデメリット②スケジュールをまとめて空けなければならない
1dayの場合は問題ありませんが、3daysや2weeksになってくるとそれらの期間のスケジュールをまとめて空けておく必要があります。
なので、その期間は学校の授業やアルバイトなどに入れなくなってしまいますよね。
学校の授業の場合は、企業が証明書を出してくれる場合もあるので欠席扱いにならないこともあります。
しかしほとんどの場合そういった措置は取られないので、スケジュール確保はしっかりとやっておく必要があるでしょう。
また、アルバイトにも入りづらくなります。
なのでそれまでに多めに入って稼ぐなり貯金をするなりしてその間の収入を補っておくとよいでしょう。
短期インターンのデメリット③期間中がとにかくしんどい
先述の通り、短期インターンではグループディスカッションを行います。
1dayの場合は関係ありませんが、複数日開催される場合何日かかけて一つの課題に取り組み最終日にプレゼンテーションを行うんです。
そのプレゼンテーションの準備がとにかくしんどい。
私は某大手保険会社とコンサルティングファームの短期インターンに参加しました。
どちらもその業界にまつわるグループワークだったのですが、短期インターン期間中は24時間そのテーマに取り組んでいました。
プレゼンに必要な文献やデータ収集、それらをもとに自分たちのソリューションやプレゼンの内容を決めていきます。
それが終わった後はパワーポイントによるプレゼン資料を作成し、最後にプレゼンターの分担を決めプレゼンの練習をし、全てが終わったのは発表の直前でした。
その期間中の睡眠時間は平均2時間程度。眠気と闘いながら課題に取り組んでいました。
はっきり言ってこの期間中は地獄でした。
ですので、1day以外の短期インターンに参加する際にはある程度の覚悟をもって参加することをお勧めします。
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長期・短期インターンのメリット・デメリットのまとめ
長文になりましたが、長期・短期インターンのメリット・デメリットをまとめるとこんな感じになります。
長期 | 短期 | |
成長度 | ◎ | 〇 |
稼げる度 | 〇 | △ |
業界・企業研究 | 〇 | △ |
ES・面接対策 | ◎ | × |
GD対策 | △ | ◎ |
人脈拡大 | 〇 | ◎ |
出費 | × | 〇 |
忙しさ | × | △ |
しんどさ | △ | × |
結論、ただのバイトをするくらいだったら有給の長期インターンをするのがいいのではないでしょうか。
ただ、アルバイトと違って責任のある仕事ぶりが求められます。
なので「まだまだ遊びまくりたい!」という学生の皆さんにはあまりお勧めしません。
短期インターンは、基本的に
- 1dayに参加しまくって就活友達を作り
- 特に行きたい企業やインターンの参加が内定の必須条件の企業だけ3daysなどのインターンに参加する
といった戦略が得策だと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか?
ひとえにインターンといっても長期・短期でそれぞれメリット・デメリットがあることをお分かりいただけましたでしょうか?
短期・長期に関わらず、インターン活動はいろいろなことを学べますし、いろんな人と出会えます。
きっと貴重な経験が出来るでしょう。
これらの特徴を踏まえ、是非充実した学生生活をお過ごしください。