この記事を読んでほしい人
- 自己分析のやり方が分からない人
- 業界分析のやり方が分からない人
- 就職活動を成功させたい人
この記事の内容
- なるべく要点を絞り、一つの項目を深掘りする
- 自己分析は、ストーリーを意識して、小説を書くつもりでやる
- 業界・企業分析は、①業界を選んだ理由と②企業を選んだ理由を見つける作業
- 企業が欲しい人材は、「素直で学習能力が高い」人材
もくじ
就活マッチング理論って何?
まずはじめに、「就活マッチング理論」のおさらいをしましょう。
「就活マッチング理論」とは、
自分の好みや特性・企業の欲しい人材や特徴をしっかりと理解し、それらを結び付けていくことで、内定を得られる
というものです。
それらを構造化したのが、上の図です。
この図からも分かる通り、学生は、
- 自己PR
- 志望動機(=会社選びの軸)
- 事業・理念
- 理想の人材
の4つを明確にしてから就職活動を行う必要があります。
そして、これらを明確にするために行うのが、
自己分析と業界・企業分析
です。
つまり、就職活動をにおいてこの2つを行うのは、必要不可欠なのです。
では、実際にこの2つはそれぞれA~Dのどの範囲を明確化できるのか。
下図で説明します。
ズバリ、
自己分析で明確にできるのはA:自己PRとB:志望動機(会社選びの軸)
業界・企業分析で明確にできるのは、C:事業・理念
です。
そうです、業界・企業分析では企業の理想の人材像を明確にすることはできません。
厳密に言えば、もうすでに明確になっているんです。
この部分については後ほど詳しく解説するので、
まずは自己分析、業界・企業分析にやり方についての理解を深めてください。
就活マッチング理論のポイント
- 「就活マッチング理論」とは、自分の好みや特性・企業の欲しい人材や特徴をしっかりと理解し、それらを結び付けていくことで、内定を得られるという理論
- 「就活マッチング理論」で大切なのは、【自己分析】と【業界・企業分析】
- 企業の理想の人材像はすでに明確化されている
自己分析のやり方
前述の通り、自己分析を通して、
- 自己PR
- 志望動機(=会社選びの軸)
の2つを明確にすることが出来ます。
それではいよいよ、自己分析のやり方を説明していきます。
まずは、自己分析でもっとも大事なこと。
それはズバリ、小説のようなストーリー性を意識することです。
自分の人生を過去から振り返り、過去の大きな出来事から自分の価値観や、やる気が出る要因、長所などを見つけていくんです。
ストーリー性を意識することで、過去の出来事に基づいた一貫性のある自己分析になり、面接官からすると納得感の高い自己PR・志望動機になります。
では次に、具体的な方法です。
自己分析の方法
自己分析をする時はこの図を基本とします。
この図を「就活マッチング理論」に置き換えると、こうなります。
このように、時間軸を意識して過去の出来事を一つずつ丁寧に振り返り、現在の価値観や自分の性格を認識することで、
就活に必要な自己PRポイントや志望動機を明確化することが出来るんです。
【過去】: 具体的な出来事
【過去】を振り返る自己分析では、冒頭のストーリー性を常に意識しつつ、一つ一つ出来事を並べていきます。
step
1人生を振り返る
まずはじめに、自分の人生を遡りこれまでに起きた出来事を時間軸に沿って並べていきます。
小・中・高・大の区切りごとに最も熱中したことを1つだけ並べる
複数並べてしまうと、他人が聞いた時にどこに注目していいのか分からず、伝えたいことがブレてしまいます。
step
2それぞれの出来事を分解する
次に過去のそれぞれの出来事を分解していきます。
分解の仕方は、①具体的な行動 ②結果 ③結果の要因
ここでは、各出来事をより鮮明に思い出すことが大切です。その為には何をして、どうなって、そこから何を得たのかを明確にする必要があります。
step
3それぞれの出来事どうしを結び付ける
次は、各出来事どうしの前後関係を理由付けます。
心理描写をする
大切なのは、感情を必ず添えること。これが無いと、物語として薄く聞きごたえの無いものになってしまいます。
恥ずかしがらず、人間味あふれる理由付けをしましょう。
私の場合は、こんな感じです。
【過去】の自己分析のポイント
- ストーリー性を意識する
- 過去の出来事を時間軸に合わせて並べ分解し、それらを結び付ける
【現在】: エピソードの抽象化
次に、【現在】の自己分析を行います。
【現在】の自己分析とは、過去の具体的な出来事を抽象化して、自己PRポイントや会社選びの軸を形作る作業です。
抽象化して明確にするべきポイントは以下の3つです。
- やっていて楽しいこと
- 自分の強み・弱み
- 大切にしている価値観
やっていて楽しいこと
文字通り、これまで熱中した中で最も楽しかった事柄と、具体的に楽しかった瞬間を考えます。
私の場合は、インターンシップの営業で、特に人とのコミュニケーションの中で価値提供できた瞬間が一番の喜びでした。
自分の強み・弱み
自分の強み・弱みは、これまでの出来事で結果を出せた時と出せなかったときの原因を考えていきます。
私の場合は、
- 強みは、インターンの経験から、周囲との競争意識を持ち負けん気で頑張って結果を出せること
- 弱みは、中学受験の失敗談から、基礎の徹底を怠ってしまうこと
という風になります。
大切にしている価値観
大切にしている価値観は、全ての出来事に共通している判断基準です。
私の場合は、
- 目標を常に持つ
- 一度掲げた目標を絶対に達成する
の二つになります。
これらを先ほどの図に当てはめると、こうなります。
【現在】の自己分析のポイント
- 必ず過去の出来事に基づく
- 自己PRポイントは1つ、志望動機(=会社選び)の軸は最大3つまで
自己分析のまとめ
このように、面接やESで必要な「自己PR」や「志望動機(=会社選び)」は、
過去を遡って事実に基づいて抽象化することで納得感のあるものになります。
ここでもう一度だけ、自己分析のやり方をおさらいしておきます。
自己分析のやり方
- 過去の出来事を時間軸に沿って並べる
- それぞれの出来事を分解して振り返る
- 各出来事どうしを理由付けして結び付ける
- 【過去】の自己分析から、①やっていて楽しいこと ②強み・弱み ③大切にしている価値観 を抽象化する
- 4.を自己PRポイント1つ、会社選びの軸3つ(まで)に形作る
業界・企業分析のやり方
自己分析が完成したら、次は業界・企業分析です。
業界・企業分析で明確になるのは、「就活マッチング理論」の
C:事業・理念
の部分。
これが明確になることで、就活対策がグッと進みます。
業界・企業分析のポイントは以下の2点です。
業界・企業分析のポイント
- 業界を志望する理由と企業を志望する理由の2つを明確化する
- 自己分析で明確になった B:志望動機(=会社選びの軸)を満たすような業界・企業かどうかをチェックする
業界を志望する理由と企業を志望する理由の2つを明確化する
よく志望動機というとその企業ならではの理由を考えてしまいますが、
忘れてはいけないのが、業界を志望する理由。
これも図で説明します。
このように、ある会社を志望するプロセスとしては、
- 業界を選ぶ
- 企業を選ぶ
の2段階があります。
ですので、企業に対しての志望動機だけでなく、業界に対しての志望動機もしっかり考えておきましょう。
B:志望動機(=会社選びの軸)を満たす業界・企業かどうかをチェックする
企業分析では、「B:志望動機(=会社選びの軸)を満たす業界・企業かどうかをチェックする」ということを意識しましょう。
「就活マッチング理論」のポイントは、
A:自己PR - D:理想の人材像
B:志望動機(会社選びの軸) - C:事業・理念
がそれぞれマッチするという点です。
つまり、業界・企業分析をすることで明確化するC:事業・理念は、
自己分析で明確化したB:志望動機(=会社選びの軸)とリンクしていなければなりません。
ですので、業界・企業分析をする際は、自分の会社選びの軸とマッチしているポイントを探していく作業であるということを
常に意識してください。
業界・企業分析のやり方
ここからは、具体的な業界・企業分析の手法をご紹介していきます。
①会社説明会
新卒採用を実施している企業は必ず『会社説明会』というものを複数回開催します。
これとよく間違われるのが、『合同説明会』。同じ説明会ですが、目的や規模は全く違います。
合同説明会と会社説明会
『合同説明会』は、複数の会社が一堂に会し、短時間同じ説明を何タームか行います。参加企業は多いもので30社に上り、参加学生も大規模なものだと1000人を超えるものもあります。主催はリクナビやマイナビなど就活情報サービスを運営している会社が多いです。
一方『会社説明会』は、新卒採用を行っている会社が独自で開催し、自社の事業内容やビジョン、特徴や選考情報などをプレゼンするものになります。ですので、参加企業はもちろんその企業1社のみになり、参加学生も100人~500人といったところでしょうか。しかし、情報量は多く質疑応答の時間もしっかり取れるなど、内容の充実度は『合同説明会』よりも高いです。
合同説明会 | 会社説明会 | |
主催 | 就活情報サービス運営会社 | 当社 |
規模 | 参加企業:5~30社/参加学生:500~1000人 | 参加企業:当社/参加学生:100~500人 |
内容 | 会社概要/事業内容 | 会社概要/事業内容/選考情報/質疑応答 |
目的 | 就活の雰囲気を体感する
短時間で複数の企業の情報を集める |
企業に対しての理解を深める
同じ業界・企業を志望する友達を増やす |
企業説明会では企業の様々な情報が得られる!
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②インターンシップ
会社を知る上で最も有効な手段がこのインターンシップ。
インターンシップには有給・無給のもの、長期・短期のものなど様々で、インターンシップを実施していない企業もあります。
各インターンシップの違いやメリット・デメリットを解説した記事はこちら。
さらに詳しく
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実際にインターンシップに参加するには、選考を受けなければならない場合もあります。
この際の選考は本選考と同じ対策をしなければなりません。具体的な対策方法は本選考対策とまとめて紹介していきます。
ここで皆さんもお気付きになったかもしれませんが、インターンシップで本選考と同じ選考をするということは、インターンシップの選考が内定に向けた実質的な本選考になっている可能性が高いのです。
現に、インターンシップに参加した学生だけが参加できるイベントや社員との懇親会、本選考時の優遇など、インターンシップに参加したことで内定にグッと近づいたという声をよく耳にします。
ですので、インターンシップにエントリーするときには本選考を受けるつもりで臨みましょう。
インターンシップに参加することで、本選考で有利になる!
③OBOG訪問
OBOG訪問とは、志望業界・企業に実際に勤めている大学の先輩などと直接会い、その仕事内容ややりがい、会社の雰囲気などを質問しまくることを指します。
最近ニュースでも報じられ、あまりいいイメージの無いOBOG訪問。特に女子学生の皆さんは少し怖い印象をお持ちかもしれませんが、本来はとてもいい情報収集の場なんです。
それに今は、会社によっては個室での面談やアルコールのあるお店でのOBOG訪問は禁止され、実際にOBOG訪問に来た学生の氏名と担当者の氏名・部署、会った日時や場所も全て報告することが義務付けられています。
なので、安心してOBOG訪問ができます。
実際にOBOG訪問で聞くのは、具体的な情報にしましょう。ここでは、OBOG訪問での質問例とNGな質問を紹介していきます。
良い質問例
- 「初任給はいくらですか?」
- 「配属先の候補はどこですか?」
- 「選考フローはどんな感じですか?」
悪い質問例
- 「志望動機は何ですか?」
- 「やりがいはなんですか?」
- 「会社の人の雰囲気はどんな感じですか?」
いい質問というのは、だれに聞いても同じ答えが出てくるような質問です。
初任給なんて新卒一年目で同じ職種ならみんな同じだし、配属先の候補も誰に聞いても同じ答えが返ってきます。
一方、悪い質問というのは回答者によって答えが違う質問です。
志望動機や仕事のやりがいなんて言うのは人に拠りますし、先輩のやりがいがあなたのやりがいになるとは限りませんよね。
なので、OBOG訪問ではなるべく客観的な情報引き出すよう心がけましょう。
OBOG訪問では、客観的な質問をする!
D:理想の人材像について
冒頭で、企業の理想の人材像は決まっていると説明しました。
では、その理想の人材像とは何か。
それは、「素直で学習能力の高い」人材です。
私は、面接の際の逆質問の際に必ずある質問をしていました。それが、
「御社はなぜ新卒採用を行っているんですか?」
という質問。
この答えに対し、全ての企業が以下のどちらかの理由を述べていました。それが、
「弊社のサービス(商品)は若年層をターゲットとしているため、社内の若手人材から積極的にアイディアを吸収したいから」
というのと、
「企業文化を定着させ、自社の仕事観を基礎として育成することが出来るから」
というものでした。
重要なのは、2番目の理由。ここに、企業の理想の人材像のヒントが隠されています。
「企業文化を定着させたい」のであれば、その学生は素直で凝り固まった価値観を持っていては困ります。素直な学生でないと、企業文化を植え付けられません。
そして、「育成すること」が目的なら、育成も一つのコストですからその期間はなるべく短い方がいい。つまり、学習能力が高い学生が欲しいんです。
もうお分かりいただけましたよね?
つまり、新卒採用を実施する目的からも明白な通り、
企業は「素直で学習能力の高い」学生が欲しいんです。
ですので、ESや面接などの選考の際には、自分の「素直さ」と「学習能力の高さ」をアピールできるようなエピソード・話し方を意識しましょう。
D:理想の人材像とは
- 企業の理想の人材像は、「素直で学習能力の高い」人材
- 新卒採用は企業文化を定着させ、【自社の仕事観を基礎として育成すること】が目的
- 面接やESでは、「結果」より「経緯」に重点を置いて話すとGOOD
マッチング理論に当てはめる
ここまで、
- 自己分析のやり方(=A:自己PR/B:志望動機(=会社選びの軸))
- 業界・企業分析のやり方(=C:事業・理念)
- D:理想の人材像は「素直で学習能力の高い」人材
ということを説明してきました。
それではここで、今までの説明を「就活マッチング理論」の図に当てはめてみましょう。
このように、
自己分析と業界・企業分析によって
A:自己PR - D:理想の人材像
B:志望動機(会社選びの軸) - C:事業・理念
という2通りのマッチングを完成させることが出来ました。
あとはこの構図を、ESであれば文章化し、面接であれば口頭で伝える練習をするだけです。
文章化するとき・口頭で伝えるときも、ストーリー性を意識して、相手に納得感のある構成で伝えるようにしましょう。
まとめ
「就活マッチング理論」の凄さ、理解していただけましたか?
このように、就職活動は構造化して一つ一つ丁寧に取り組むことで、
効率よく進めることが出来るのです。